催馬楽神楽の演目
更新日:2016年4月28日
演目
催馬楽神楽の演目は、基本となる12座があり、その他に3座があります。
第1座 天照国照太祝詞神詠之段(あまてるくにてるふとのりとしんえいのまい)
素面(面をつけない)の1人による舞です。舞人は、まず扇を持ち、途中で幣と鈴に持ちかえます。
「天照国照」とは、天地を分けへだてなく照らすこと、「太祝詞」とは、立派な祝詞という意味です。この祝詞は、「これから神楽を行いますが、安全でありますように」との願いをこめて読み上げられます。このことから、この演目は12座の最初に行われます。
第2座 天心一貫本末神楽歌催馬楽之段 (てんしんいっかんもとすえかぐらうたさいばらのまい)
素面(面をつけない)の2人による舞です。1人は榊と鈴を持ち、もう1人は篠と鈴を持ちます。
榊と篠を持って舞うのは、ともに常盤(永久不変)の木といわれる、おめでたい木だからです。
この演目は、建築にあたっての清めの舞といわれています。
第3座 浦安四方之国固之段 (うらやすよものくにかためのまい)
素面(面をつけない)の4人による舞です。4人は、左手に東西南北をあらわす青、赤、白、黒それぞれの幣、右手に鈴を持ちます。
この演目は、国を堅固にするためのものです。また、天候が不順のときにこの演目を行えば、天候が回復するともいわれています。
第4座 降臨御先猿田彦鈿女之段 (こうりんみさきさるたひこうずめのまい)
天狗の面をつけた人と鈿女の面をつけた人の2人による舞です。天狗は鉾と鈴を持ち、鈿女は赤の幣、鈴、扇を持ちます。
この演目は、「天孫降臨」の神話を題材にした、五穀豊穣、国家安穏を祈るおめでたいものです。また、安産の祈願のために、この演目を行ったことも伝えられています。
第5座 磐戸照開諸神大喜之段 (いわとしょうかいしょじんだいきのまい)
素面(面をつけない)の巫女が2人と、翁の面をつけた人の3人による舞です。
巫女の1人は、五十鈴に青幣と麻をつけた榊と鈴を持ち、もう1人の巫女は、鏡と白幣をつけた榊と鈴を持ちます。翁は、榊の枝をつけた白大幣と鈴を持ちます。
この演目は、「天岩屋戸」の神話を題材にした、人々の喜びをあらわした舞といわれています。
第6座 八洲起源浮橋事之段 (やしまきげんうきはしわざのまい)
イザナギの面をつけた人(男神)と、イザナミの面をつけた人(女神)の2人による舞です。男神は太刀を携え、日形、扇、鈴を持ち、女神は、月形、扇、鈴を持ちます。
この演目は、「国生み」の神話を題材にしたものです。また、子孫繁栄あるいは開運を祈る演目とも伝えられます。
第7座 大道神宝三種神器事之段 (だいどうじんほうさんじゅじんぎわざのまい)
翁の面、千歳の面、イザナギの面をつけた3人による舞です。翁は鈴と宝珠を持ち、千歳は鈴と剣を持ち、イザナギは鈴と鏡を持ちます。
「大道」とは、天下を治める道理のこと、「三種神器」とは、八尺瓊曲玉・八咫鏡・草薙剣のことをいいます。
この演目は、国を鎮め、守る演目と伝えられます。
第8座 祓除清浄杓大麻之段 (ばつじょしょうじょうしゃくおおぬさのまい)
素面(面をつけない)の2人による舞です。2人とも、杓、扇、鈴を持ちます。
この演目は、神話「ミソキ」を題材にしたもので、心身を清浄にし、身の過ちを改めなさいという教えをあらわしたものといわれています。
第9座 五穀最上国家経営之段 (ごこくさいじょうこっかけいえいのまい)
三番叟の面をつけた人と、保食の面をつけた人の2人による舞です。三番叟は三方、扇、鈴を持ち、保食は種壷、扇、鈴を持ちます。
「五穀最上」とは、五穀(米・麦・粟・豆・稗)が食物の中でいかに大切であるのかを唱え、その中でも米(稲)は「命の根」にも通じ、最も大切な穀物ということです。
この演目は、五穀が豊かに実り、国が豊かに栄えることを願う舞といわれています。
第10座 翁三神舞楽之段 (おきなさんじんぶがくのまい)
翁の面、三番叟の面、千歳の面をつけた3人による舞です。3人とも扇と鈴を持ちます。
この演目は、式三番(能楽の神曲とされる)を象ったもので、他の演目とは非常に異なっています。
平和な世の中であっても用心が必要であることを教えている演目と伝えられています。
第11座 鎮悪神発弓靱負之段 (ちんあくじんはっきゅううつぼのまい)
右大臣の面をつけた人と、左大臣の面をつけた人の2人による舞です。2人とも弓矢と鈴を持って舞います。
この演目は、悪魔を降伏させ、諸々のたたりを鎮める神楽として勇壮に舞われます。また、疫病が流行したときに、この演目が行われたと伝えられています。
第12座 天神地祇感応納受之段 (てんじんちぎかんのうのうじゅのまい)
イザナギの面をつけた人と、イザナミの面をつけた人の2人による舞です。イザナギは青大幣と鈴を持ち、イザナミは五色幣と鈴を持ちます。
この演目は、一年中穀物の神を祭り豊作を祈れば、豊作がつづくに間違いないという教えを伝えているといわれています。また、願いがかなうように12座の最後に置いたといわれています。
外 天津国津狐之舞 (あまつくにつきつねのまい)
狐の面(天孤と地孤)をつけた2人と、ひょっとこの面をつけた人の3人による舞です。天孤と地孤は杓と鈴を持ち、ひょっとこは合幣と鈴を持ちます。
この演目は、善い行いを勧め、悪をこらしめることを表しています。
この演目は、江戸の郷神楽からの逆輸入されてきたと言われており、鷲宮1丁目の鷲宮神社では奏演されず、八甫の鷲宮神社でのみ行われています。
番外 太刀折紙之舞 (たちおりかみのまい)
手力男の面をつけた1人による舞です。手力男は、まず折った白紙と扇を持ち、途中で扇を太刀に持ちかえます。
この演目は、家内安全、悪魔よけの光明を見つけ出す舞といわれています。
12座に編成される以前の、古い神楽の名残りのものといわれています。
端神楽 (はかぐら)
素面(面をつけない)巫女1人による舞です。巫女は白幣と鈴を持ちます。
この演目は、他の演目と演目の間に行われます。定まった曲目はなく、次に行われる曲に合わせて、舞台の端から端まで幣で祓い清めるかのように舞います。
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