第95回 鷲宮催馬楽神楽(わしのみやさいばらかぐら)の舞いを描く神楽絵馬
更新日:2024年4月1日
問い合わせ先:文化振興課文化財・歴史資料係
絵馬とは、人々が様々な思いを込めて社寺に奉納した板状の絵額です。社寺の奉納所などに掛かる小さな板絵を思い浮かべる人が多いと思いますが、このような形の小さい「小絵馬」に対して、大型の絵馬を「大絵馬」と呼んで区別しています。
久喜市内には、江戸時代から明治時代を中心に約350点の大絵馬が確認されています。久喜地区には八雲神社の祭礼を描いた「天王様祭礼絵馬」、菖蒲地区には江戸時代後期の棟上げの様子を描いた「上棟式絵馬」、栗橋地区には野郎歌舞伎風の踊りを描いた「歌舞伎絵馬」、鷲宮地区には「神楽絵馬」など当時の庶民の願いや風俗を描いた珍しい絵馬が数多く遺されています。
今回紹介する鷲宮神社の「神楽絵馬」は、国指定重要無形民俗文化財の鷲宮催馬楽神楽の舞を描いた絵馬です。形状は長方形の扁額で、大きさは縦69センチメートル、横119センチメートルあります。
絵馬に描かれた神楽の演目は、第6座「八洲起源浮橋事之段(やしまきげんうきはしわざのまい)(通称浮橋の舞)」で、イザナギ・イザナミの男女2神が天浮橋を廻る様子を表しています。この演目は、『古事記』『日本書紀』の神話の中の「国生み」という話を題材にしていて、イザナギ・イザナミの2神が国土生成のいとなみを行ったことを表しています。この演目は、人々の喜びの始まりを表したもので、日(男)・月(女)が世界の中心を巡って子孫繁栄あるいは開運を祈る舞ともいわれています。
この絵馬を描いた絵師は、桜川亀山で、明治24年(1891)に総願寺(加須市)に奉納した絵馬の絵師と同名であり、同一人物と考えられます。
郷土資料館では、このような市内の大絵馬について紹介する特別展「久喜市の大絵馬」を10月10日(木曜)から12月8日(日曜)にかけて開催します(※)。ぜひご覧ください。
※特別展は終了しました。
鷲宮催馬楽神楽図(鷲宮神社蔵)
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